最近、車を走らせてあげてないし、久しぶりにちょいと出かけるか。
”ナンシーは美しい街”だと、誰かが言っていたか物の本に書かれていたかは定かではないけれど、目的地は決まった。
1泊分の用意だけ持って、イグニッションキーを回す。
アウトバーンをバーデンバーデンで降り、ストラスブール方面へ。ライン川を渡り、N4の高速道にのったものの、最高制限速度が130km/hとなり、車の流れがトロトロとなっている気がする。
ナンシーはアルザス地方とシャンパーニュ地方に挟まれたロレーヌ地方にある人口約33万の街。
ナンシーを少し過ぎたところにある大型ショッピングモールで買出しをして出てきた頃には日が暮れていた。
「泊まるところを決めないとな。」
と考えながら気がついた。
「パスポート持ってくるの忘れた!」
フロントでパスポートを提示することがあるから、ないと宿に泊まれないかも。そんときはがんばってシュトゥットガルトまで帰るしかないなぁ。と腹をくくり、御用達ガイドブックLonly Planetに載っていた、旧市街地(Vielle Ville)にあるHotel de Guiseに向かう。
ちょっと怪しげな路地へ入って、扉を開けると感じの良い内装。まずはフロントへ。
部屋も空いていたし、クレジットカードの提示のみでOK!よかった。。。ふぅ。駐車場は今日は満車だけれども、前の路上駐車は、土曜の夕方から月曜の朝まで無料だということでそのまま駐車。
階段は幅広で、手すり金具のデザインもいい。
部屋は2階の15号室。
板張りの床に、小回りの聞く部屋。
2つ星のホテルで一番安い部屋ながら、バスタブもしっかりあるし、アメニティもちゃんとしてる。
部屋の検分をさっさと済ませて、取るものもとりあえず街へ出る。でも、カメラはちゃんと持っていく。
ホテルのある通りから少し広めの通りはGrande Rue。
既にお店は閉まっていたものの、土曜日の夜らしく通りには人影が多い。
気になる建物を見ては近寄って、高い建物が見えればフラフラと進路を変更して、ウィンドウショッピングしながら、ライトアップされた街を縫うように歩く。
通りの向こうに見えていた飛びぬけて高い塔はBasilique St-Epvreという教会(バジリカ?)。正面が修復中で、残念ながら全様は見れなかったけれど、あんなんか、こんなんかとあれこれ想像するのも楽しい。
南下してきたGrande Rueの左手に門が目に入ったのでくぐってみると、内側には彫刻が並んでいて、その奥には宮殿調の建物Palais du Gouvernment(官庁?)。
前に広がる広場には駐車車両が所狭しと停められていたけれど、金装飾の外灯付き門らしいものが否応なく目に飛び込んできた。
その金色の門の背面には街路樹が並び、更にその先には青く輝く宮殿っぽい建物と人ごみが。
凱旋門の1/5くらいの石門をくぐると両脇にしゃれた高級そうなお店が並ぶ(写真は石門の内側からPalais du Gouvernementの方面)。
門の内側に大勢の群れが見えたのは、France 2という放送局の生中継番組を見に集まった人たちでした。
時折、盛り上がりの”おっー!”というような歓声。
その歓声とは全く隔離された世界にいるかのように、金装飾された外套の下には路上の画家。通りすがりの人が見ていきます。
この広場はplace Stanislas。ナンシーで一番の観光スポット。
今日は、France 2の撮影テントが大きく張ってあって、広場の中央とはわかりにくかったけれど、中央には17世紀半ばに伯爵としてロレーヌ地方を統治したポーランドで王位を剥奪されたStanislaw Leszczynskiの像が立っています。
西面にはMusee des Beaux-Arts、南面にはHotel de Ville、
4箇所ある広場への出入り口にはJean Lamourによりデザインされた金色と黒の門、そして北面の両角には、18世紀にフランスで一世を風靡したGuibalデザインのロココ調の噴水Fontaines de Neptune(西側)とd'Amphitrite(東側、↓写真)。
目が十分楽しんだらお腹が空いて来た(←花より団子?)。
レストランを探しながら、2つの塔が橙色にライトアップされているCathedrale(大聖堂)の前まで南下して、駅のある西へ歩いて白いEglise St-SebastienからRue des Carmesを北上。一つ東側の通りRue St-Dizierを北にホテルの方向へ歩いていくと右手にレストラン街のようなネオンのまぶしい路地Rue des Marechaux。
「よし。ここで夕ご飯だ!」
軒先でさっぱりわからないメニューを読んで、直感で決めたレストラン。La Table de Bacchus。
店内は満席だったけれど、樽をテーブルの足にしているカウンター風の席が一組分空いていたので直ぐに腰を下ろす。
お店のおばちゃんは英語を話せたので、数点説明してくれたうちから一皿と、適当に選んだデザート、そしてロレーヌ地方の白ワイン。
フランスじゃサービスなんて全く当てにならないからなぁ、と思っていたのに、ウェイトレスさんも含めお店の人はとても愛想が良い。あれはパリだったし、10年も前の話だったからか。
Verre Anthologieという白ワインは甘いけどベタベタしないスッキリとした味。
頼んだメニューはO Tour due Canard、鴨肉料理の盛り合わせ。
プチトマトがちょこんと乗っているジャガイモのピューレの下には鴨肉のシグレ煮風。鴨肉のローストはリンゴと一緒に。ズッキーニ、人参とカリフラワーの炒め物。どれも美味しい♪
ドイツにはないね、この手の料理は!
まだグラスに残っているワインを少しずつ飲みながらデザートを待つ。グラスを干したところでデザート登場!
こちらはチョコレートの盛り合わせ、O Tour due Chocolat。
小指程度の小さなフィナンシェ。ほおづきが添えられたチョコレートアイス。焼きたてのチョコレートスフレの中にはチョコレートソース。ラズベリーの載ったしっかり詰まったブラウニー。スターフルーツでチョコレート味の舌を休ませながら。白いムースは少しマロンも入っているような舌触り。
もう満腹、満足。
やっぱりおフランスの方が食べ物は美味しいね〜。
時計の針がそろそろ10時を刺すところでお店を後に。
Basilique St-Epvre前の小さな広場から月が見え、人通りもあって安全そうだったので、観測場所にする。
皆既月食開始の時刻直前まで薄い雲に覆われていたのに、少し霧っぽいものの、雲が晴れて良好観測状態(写真には上手にとれなかったけれど)。
気温が高く、それほど寒くもなかったのだけど、首も疲れてきたので、月が半分まで隠れたところで雲も再び現れてきたのでそろそろお暇。
ホテルの窓から全て隠れて赤くなった月を確認してオヤスミなさい。
ナンシーの夜は月食とともに。ポチッとな〜。Danke!

のだめ。さんってフットワークが軽くて、なんて充実した海外生活をお送りなんでしょう!!端から見てて、気持ちいいです!笑
私も昔はそうだったのに、今じゃ。。。見習わねば!
欧州って陸続きだから、外国のような気がしなくてうっかりパスポート忘れることあります!!
特にスイスに行かれるときは、厳しいのでご注意くださいませ。
続きを楽しみにしてます。
それと、着任期間がMaxでも5年までなので、”行ける時に行って置こう”と思ってるからでしょうね。長く住むと、あまり観光しなくなるのかも。
スイスに行く時は気にしてるので大丈夫なんですけど、フランスの時は忘れがちデス。以前、リヨンに飛行機で行く時にシュトゥットガルト空港でパスポートを忘れて、タクシーで往復して懐が寂しくなりました。(涙)