ザルツヴェーデルからはウェルツェンで乗換えてハノーファーへ再び出てからローカル線で東南東の方向へ1時間強のところに位置する。
はじめは10時ぐらいにザルツヴェーデルを出てさらっと見て周る予定だったけれど、クリスマスマーケットやレストランでのんびりとする為に予定より1本前の電車で町をでることにする。
日曜日の朝。誰も起きてくる様子もないのに、宿主のおじさんはハムやチーズなどをテーブルに並べてしっかり朝食を用意してくれた。電車の時間まであまりなかったので、オレンジジュースとヨーグルト、紅茶で済ませる。
前日はお昼前から他の泊り客と別の街のクリスマスマーケットへ行き、マリオネット鑑賞をしてきたのだそうだ。とても楽しかったけど、ザルツヴェーデルに戻って来たのは夜遅くで、少し疲れたらしい。
お礼を行って誰もいない石畳を駅まで急ぐ。
7時19分の電車を逃すと次は10時までない。この電車を逃すわけにはいかないのだ!
無事に電車を捕まえて、来たのを逆順にハノーファーへ。ハノーファーから乗り込んだ電車には、ここから1時間もかかるゴスラーへ向かう人々が同行者との会話をしながら車中の旅を楽しんでいる。
プラットフォームへ降りると底冷えのする空気。
駅すらも教会のようなロマネスク様式。これから何が待っていてくれるのかワクワクする。
何の予備知識もなく来てしまったので、インフォメーションのあるマルクトプラッツへ足を向けた。
銀行として使われている建物も今までとはちょっと違った風合いの木骨造り。行く先のどこを見ても歓声を上げずにいられない。
始めに足を止めたのはNeuwerkkirche(ノイヴェァクキァヒェ)。白い壁が印象的な後期ロマネスク様式。
内部には、前面の中心に十字架に掛けられたキリストが吊るされ、外観とは対照的に細い柱装飾が鮮やかで、祭壇にあたる部分にはマリアを中心としたフレスコ画。
4つの柱には悪を表す悪魔と蛇、善を表す祝福と勝利の珍しい装飾がある。右翼の壁にはエンジェル、背面のパイプオルガンの下には小さい祭壇。12世紀から修道院として使用されいた。
教会内部では取り仕切りのおじさんが、訪問者に無償で案内もしてくれている。写真が多かったので教会に関する小冊子を買うと、他に誰もいなかったというのもあるだろうが、教会の隅々を案内してくれた。
記憶が少しあいまいだが、2000年から2年かけて修復したとのこと。もともとは茶色い石がむき出しだったらしい。
今週の金曜日には、ロシア風クリスマスとしてアカペラがこの教会で上演されるのだそうだ。
私がシュトゥットガルトに住んでいるというと、息子さんと娘さんの両方ともがシュトゥットガルトで学んだ後、今はミュンヘンで働いていること、そして、今度の金曜日には二人とも帰ってくることをうれしそうに話してくれた。
長く話しを聞いていたせいか、昔のノイヴェァクキァヒェを写した葉書をくれた。
外へ出ると再び木骨造りの建物に囲まれる。1階は現代の商店でその上層は木骨造りをそのまま残している。
下層は石で出来てその上部を木骨造りになっていて、またその木には装飾が施されていたりと木骨造りにもヴァリエーションがあることに気づかされる。
こちらは、漆喰ではなくレンガをデザイン的に並べた木骨造り。
少し進むと、神戸にあるうろこの家のように(オリジナルはヨーロッパ?)、今度は黒い結晶片岩が敷き詰められた建物に変わる。その前には2塔3廊式ゴシック様式(たぶん)のSt.Jakobikirche(サンクトヤコビキァヒェ)。
管理をする人がいるようで、お昼の休憩直前。端から電気や蝋燭の火が消えていく。珍しいかったのは背面の黒いパイプオルガン。
クリスマスマーケットの出店がちらほらと見え始め、狭い歩行者天国の商店街を抜けるとマルクトプラッツへ到着。
始めに目を引くのはピンク色の聖人らしい像が壁に並ぶホテルとなっている建物。
プラッツにある噴水を中心にクリスマスマーケットは賑わいます。広場の何面にはうろこの家風Kaiserringhaus(カイザーリングハウス;皇帝の指輪の家?)、北面には市役所↓。
市役所にあるテラスからマルクトプラッツ。
ちょっとおなかが空いたので、マッシュルームたっぷりのHirten Pfanne(ヒァテンプファネ;羊飼い鍋?)をハーブクリームソースを添えて、半分に切った食パンと一緒にいただきマス。
お腹が満たされた後は、市役所ないのHuldigungssaal(フルディグングスザール;忠誠の間?)という世界遺産を見学。見学できるところはほんとにごくわずかの割には3.5ユーロと高額に思えますが一見の価値あり。
入場して直ぐにはフルディグングスザールを模した部屋で解説映像が流れます。実際の部屋は立ち入り出来ないようになっていて、透明な出窓からガラス越しに見ることになります。歴代皇帝が描かれている窓側の壁は良く見えないので、この映像だけが頼りです。
今度は市役所の裏手へ出ると、昔ながらの釜焼きパン屋さん。丸パンを中心に手ごねパンを売っています。行列が出来ていたので、ついつい参加して買ってしまいました。。。これが中身が詰まっていて重い!
↓こちらは図書館。
マルクトプラッツの側にあるその名もMarktkirche(マルクトキァヒェ)。右側の時計がある塔は”今日は登れます”とあります。この入塔料は身長で決まるというちょっと変わったシステム。150cm以下だと1ユーロ、150cm以上だと2ユーロ。大人か子供の区別はありません。私は160cmあるので2ユーロ。
日本人も良く訪れるようで、「今まで日本人で2ユーロ払った人はいない」のだそうで。
上から見ると本当に木骨造りの家が多いことがわかります。
塔を降りて、さてお次はBreitestor(ブライテストァ;幅広門?)へ。
通り一面に木骨造り。
木骨造りも、こんなに長い通りにずらっと並んだ状態はここが始めて見ます。さながらドイツの木曽路といったところ?
この通りの先に見えているのがベライテストァの一部。
13世紀に出来た門で全容を肉眼で見るのは難しそう。
ここからKaiserpfalz(カイザープファルツ;皇帝の城館)を目指して適当に歩いても、興味を引く建物がそこここに建ち並びます。
ロマネスク様式のカイザープファルツ。
内部も入れますが、少々お疲れ気味になってきたので外観だけ見学。
再びマルクトプラッツへ戻って、記念カップとしてグリューヴァインを。
はじめのカップは2005年だったので2006年に交換してくれとお願いしたら、良くあることのようで快く持ち帰り様に新しいカップと取替えてくれました。素焼きでお湯飲みみたいデス。
さて、日も暮れ始めて来ました。
マルクトプラッツの中心にある噴水の鳥も一層黄金に輝いてます。
ずしりと重い丸パンとバウムクーヒェンを抱えて、そろそろ現実へ戻りましょうか。
ポチッとな。Frohe Weihnachten!


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