朝5時。
出張の為に、前日に借りた社用車で家を出る。
5時15分。
同僚Fを拾う。
6時。
Pforzheim(プフォーツハイム)で、別の同僚Wさんを拾う。
Wさんは50歳は超えています。
間食にバナナやリンゴなどフルーツを良く食べます。
自然が好きでSchwalzwald(シュヴァルツヴァルト:黒い森)に住み、約1時間半かけて通勤。サウナが好きで、金曜日には、仕事が立て込んでいなければ、15時に退社して、自宅近所のお友達とサウナにしばしば通っています。
去年の夏の健康診断で、血中コレステロール値が高いのと血圧が高いと言われ、それからお昼ご飯は控えめでした。
チョコレートなど甘いものが好きらしく、会社では食べているところを見たことないのですが、お家で食べてしまうから会社では食べないのだとか。
「一回包みをあけちゃうと、最後まで食べちゃうんだよね。」
と、Euro2008も佳境に入ってて、家でフットボールを見ながら甘いものとビールとでまたまたカロリーが。。。と後悔しつつやめられない、と、数日前に談笑したばかり。
Wさんは、待ち合わせ場所、プフォーツハイムまで、一人で家から運転して来ていました。合流した時、ワタシは運転手だったので、車からは降りず、同僚のFが車外へ出て、Wさんと挨拶。車外で少し会話をしていたのですが、ワタシは全く理解しておりませんでした。
Wさんが後部座席でため息のような深い呼吸やセキを何度もしていて、少し様子がおかしいなとは思っていましたが、Fによると、待ち合わせ場所に付くまでに具合が悪くなり、汗をかいたりしていたとのこと。道中、Fが”病院にいく?”とWさんに聞いていたのは理解してましたが、何のことやらさっぱりわからず。
ワタシはそのまま運転を続け、A8を更に西へ向かい、A5でKarlsruhe(カールスルーエ)を過ぎようとしていた時に、もう我慢できなくなったとのことで、サービスエリアへ停車。
Fがガソリンスタンドで救急車を呼んでもらい。
20分ほどしてから救急車到着。待つこと長く感じられました。
Wさんが、手がしびれておかしいとか、胸が痛いなど、意識はしっかりしているものの、状態は徐々に悪くなっていました。
救急車内で検査をしている間に、救急医師が到着。
心筋梗塞で、カールスルーエへ向かう、とFとワタシに言い残し、どの病院とも告げずにWさんを乗せた救急車は去って行きました。
7時30分。
結局、我々はサービスエリアには1時間以上居て、Wさんが去っていった後、Fとどうしようかと相談。Fは携帯電話を持っておらず、我々の上司の連絡先は知らず。
出張先には連絡が付いたので、Wさんが救急車で運ばれて、我々は遅れていくことを説明。
少し気分を落ち着けようということで、コーヒーを飲み。
出張先へ向けて、再び車中へ。
ワタシが運転して、Fが連絡係。
Fは会社の電話番号を覚えていたので、秘書さんに人事部へ連絡を取ってもらい、Wさんの自宅連絡先を聞き、連絡するも不通。奥さんが薬局で働いていることはFもワタシも知っていたので、秘書さんに再び連絡して、Wさんの町の薬局の電話番号をいくつか調べてもらい。奥さんへやっと連絡がついたのは、8時30分前。
Wさんがどの病院へ運ばれたのかわからず、救急から奥さんへ連絡はその時点ではまだ届いておらず。ただ、ガソリンスタンドで、カールスルーエに大学の心臓病センターがあるということを聞いたので、もしかしたらそこではないかということを付け加えて、身内に連絡がついてよかったと、Wさんの容態は気になるものの、少しホッとする。
その日は、出張の後、翌日の打合せのため、ワタシはそのまま更に社外へ出張。Wさんのその後の経過がわからず、木曜日の出社時に聞くと、サービスエリアから病院へ運ばれたWさんは、8時には緊急バイパス手術を受けたとのこと。その翌日あるいは翌々日には、Wさんの町の病院へ運ばれることになるらしいと。
その後、何の音沙汰もなく、いろんな人が我々の部署へ状況を聞きに来るも、それ以上の情報もなく。便りがないのは良い便り、を信じようと。
そして昨日。
上司にWさんから連絡があり。
既に自宅におり、3・4週間静養とすることになるとのこと。(で、そのまま夏休み。)
冗談で(だと思うけど)、ワタシの運転が心臓発作を引き起こした!と言われますが、違いますよ!
Fが水曜日に残しておいてくれたメッセージに、”Glueck in Umglueck”(不幸中の幸い)とありましたが、本当にその通りだとしみじみ思いました。Wさん一人での出張ではなく、独語がたどたどしいワタシとだけでもなく、Fも居てくれたこと。
会社復帰は9月頭になりそうですが、まずはゆっくり静養して元気になって。
ポチッとな。Danke!

【関連する記事】
心肺蘇生習ったけれど、結局心臓が一番大事なのね。
Wさんの術後の経過が良いことをお祈りしています。
ときどきお邪魔してはブログを読ませていただいてました。しずおかに住んでます、私。ドイツ語も、自分でポツポツと勉強してます。
Wさんの件、危機一髪だったようですが、本当に「不幸中の幸い」になって良かったですね。最後まで読んで、安心することが出来てよかったです。
一度は住んでみたかったドイツ、そこで生活されているなんてうらやましい限りです。
また、日常のことなど記事楽しみにしていますね!お仕事もがんばってくださいね。
金曜日に会社から電話したら、声もしっかりしていて、経過は良好のようでした。
ドラマとかで見る心臓発作って、”うっ”とかいきなり倒れたりするんだけど、ジワジワ具合が悪くなっていくモノもあるんですね。症状が比較的軽いのかもね。軽いといっても心臓だしね、楽観は出来ないんでしょうが。
>のりこさん、
有難うございます!
成り行きで来たドイツではありますが、楽しんでます。のりこさんにも、これから何があるかわかりません。住んでみたいならば諦めずに計画してみて下さい!計画するのはタダですから。(笑)