早起きが習慣となったようだ。
さて今日はどうするか。
朝食をとりながら空港で買ったガイドを読む。
その中から、リース水街道(Water of Leith)という、エジンバラの古い港であるリースへ行く散歩道がホステルの近くから始まっているので、これを選んで歩くことにした。
ホステルの前の道は通勤渋滞となっていた。
それを横目に、スコッティッシュ 近代美術 ギャラリー(Scottish Gallery of Modern Art)の駐車場を通過し、いよいよ遊歩道の入口をくぐる。
と言えば響きはいいが、単なるギャラリーの裏門。
裏山を下るという感じで降りて行く。
人影はあまり見えないが、ちらほらと犬の散歩をしている人や、自転車通勤と思われる人が通る。
昨日に引続き天気はよろしくないが、小川のせせらぎが聞こえ、なんとも落ち着く。
豊かとはまだ言えないが、ちらほらと鮮やかな緑が見える。
彫刻があったり、渡り板があったりの遊歩道。
後方で犬のお散歩をしている人が急に叫ぶ。
一人でびっくりするが、前方からくる犬のお散歩をしてる人が答えていた。
小さな橋を渡ると、角にお住まいになられておられると思われる、明らかに地元のオジサマに「おはよう」と挨拶して頂きた。
きちんと”おはよう返し”をした。
アジア人の株アップに貢献!
途中、一般道に出たりしてはいたものの、土の遊歩道から舗装された道に。
街路樹の剪定をしていた。
切った枝は粉砕機に入れられ、すぐさまその場の地面に振りまかれていた!
振りまくというか、飛び散らすというか。
ともかくやることが大胆だ。
街路樹を抜けると港町。
角のサンドイッチ屋さんでバゲットのビーフサンドとオレンジジュースを買う。
曇天の下、北風の中、ベンチで先ほど買ったバゲットサンドをほおばりながら、ベンチの隣で銅像になっているオジさんと目の前のバーとなっている漁船をながめる。
さむい…。めちゃくちゃさむい。
体を温めるために歩きはじめる。が、かなりさむい。
帰りも同じ道を行くのも、体力に自信がなく、エジンバラ市街行きのバスが通り過ぎたのでバス停を探す。
このあたりはお店がほとんどない。
商業マリーナの看板があった。
趣味のいいカフェと家具屋さん。
もとの道にはアウトドアショップ。
温もりを求め入店。
スイスアーミーナイフをみたり、書籍をみたり。
10分ほど居ただろうか。
そろそろ移動しなければと外に出る。
サムイ・・・
先の信号で、通り過ぎるバスの本数が増える。
この先にバスターミナルがあるのかな、と思い右に曲がる。
バスロータリーとショッピングモールがあった。
バス停は11番。
運転手にプリンスズ ストリートに行くか聞く。
「今日はまたバスに乗るかい?そうすると、乗り放題が安いよ。3.00GBPだよ。」
といわれたが、乗る予定がないので、丁重にお断りして1.50GBPで乗車。
歩き疲れか、うとうとしたが、はじめて乗る路線でもあり、どこまで連れていかれるのかわからなかったので頑張って目を開けていた。
けどやっぱり寝た。
目を覚ますと車窓からは市街地の風景に変わっていた。
プリンスズ ストリートの少し手前、ジョージ ストリート(George St.)で降車。
ホステルに戻ろうかなぁと思うが、時計の針はまだ2時。
ふと目を上げると,プリンスズ ストリートとウェイバーレイ ブレイ(Waverlay Br.)との角で、キルトを着たバスカーがいた!
おー!これぞスコットランド!(?)
観光客を狙ったバスキングであることは明白だけど、バグパイプの音と風景を楽しみ満足!
そのままプリンスズ ストリート ガーデンに入り、塔があったら登らなあかんということで、スコット モニュメント エジンバラ(THE SCOTT MONUMENT EDINBURGH)へ。
スコットモニュメントは,スコットランドを代表する作家ウォルター=スコット卿(Sir Walter Scott)を讃えて建てられた。
建設直後はわからないが、現在は真っ黒である。
登塔料2.50GBP。狭い階段です。
30代と思われる女性が先に登っていったが、追いついてしまい、「先に行って」とはぁはぁ言いながら休憩していた。
内部には、修復の様子を伝える写真や音声資料がある。
塔は4層。日本風に言えば4重の塔。
階段数は287段。登るにつれて階段の幅が狭くなってゆく。
狭くても手摺りない。
最上層は人が行き違うことは無理なほど。
四方をぐるっとまわることができるが柵が低い。
そんなスコット モニュメントを後にして、プリンスズ ストリート ガーデンで一休み。
まだまだ時間があるなぁ、と時計とにらめっこをする。
せっかくエジンバラということで、エジンバラ城を見に行こう!
疲れた体に鞭打って登城する。
入城料は8.00GBP。入ってすぐにお土産やさん。そしてまたび登り坂。
オーナーズの展示館では、スコットランド王国の戴冠用宝器の歴史についての説明がされている。
城内はさほど大きくなく、さくっと見ることができる。
城内のお土産やさんで再び考え込み、やはり何も買わずに城を出る。
キャスルヒルにあるウイスキー醸造実演の博物館をのぞく。
様々な種類のスコッチがいろいろなサイズで売っている。
テイスティングもしていたが、ウイスキーはあまりわからないので眺めるだけにする。
ただ飲めないにしても、あの琥珀色は心に染みる。
登ってきた坂を下って、ロウンマーケットのお土産やさんにまたしても入る。
ハンドメイド風のショートブレットが売っていた。
日本では見かけたことがなかったのが、裏の原材料などは日本語でも書かれていた。
小腹が空いたのでご購入。
ジョージ W ブレイから、ショッピングエリアとして散策するのによいとガイドにあった
ヴィクトリア ストリートに入って行く。
これまでとは違って、石が剥き出しの外壁から白や赤などの塗装をしてある壁が現れる。
気候のせいか、じっとりしていた街の雰囲気がぱっと華やかになる。
昔から商いをしていると思われるソーセージやさんや衣類やさんがみえる。
そのなかにチーズ屋さんがあった(写真白壁あたり)。
今晩はチーズとパンとワインだな。
店に入ったがあまりチーズ臭くない。
目移りしてしまうほどのチーズの種類。
「何にします?」とおねえさんに尋ねられ、「ブリーチーズを。」と咄嗟に答えてしまった。
「どのブリーがいい?」と聞かれ、え?ブリーにも種類があるの?ってな感じで、ショーウィンドウに出ているブリーチーズを指して、「これを100g」。
「あ、ちょっと少なくなっちゃったわ。今日の晩御飯程度?」
「それぐらいでいいです。ちょうどいいです。」
などと会話をし、最後に承諾を得てお店とおねえさんを1枚。
「見ます?」ときいたら、「デジタルカメラは見たことあるけど、実際写真を直ぐに見るのは初めてよ。」とやや緊張気味に画面の中の自分を見ていたのがかわいらしく印象的だった。
隣の加工肉屋さんでハムでも買って…、と一瞬考えたが、一人でどれだけ食べんねんと断念。
ヴィクトリア ストリートを下ってグラスマーケット(Grassmarket)を右に入る。
ヴィクトリア ストリートとは違った感じのかわいらしげな店々が並ぶ。
ペイントのされていない,石が剥き出しの壁にこじんまりとした店。
一番古い建物は18世紀から建っているらしい。
いつのまにかオールドタウンを巡る散歩コースに入っていたので、それに従うことにした。
グラスマーケットを左に入り、ヴェネル(Vennel)の幅広いが段差の小さい階段を昇って行く。
まさに裏道といった雰囲気である。
高校生くらいの女の子二人とすれ違う。
この左側の壁は16世紀に拡張された古い街壁であったらしい。
階段を昇りきると今度は道幅が狭くなり、名前もヘリオット プレイス(Heriot Pl.)となる。
壁の向こう側が賑やかである。
この壁に沿って、多くの車が行き交う通りへ曲がる。
壁から柵に替わった。
にぎやかなはずで、学校(ジョージヘリオットスクール;George Heriot’s School)であった.
建物はエジンバラでも古いものの一つで、かつては孤児院であったらしい。
現在はエジンバラ有数の進学校だそうだ。
ちょうど終業時刻であるらしく、制服姿の学生が帰宅の途であった。
しばらく学校の景色を楽しんで歩いて行くと交差点。
それをフォレスト ロード(Forrest Rd.)に進路をとって、5差路にぶつかった。
坂を降りて北西に行くキャンドルメーカー ロウ(Candlemaker Row)と、坂を上って北北西にゆくジョージWブリッジに分かれる。
この交差の手前には、忠犬ハチ公ならぬ忠犬ボビー(Greyfiars Bobby)の像がある。
忠犬というので柴犬等の大型犬かと思っていたら、ボビーはヨークシャーテリアで、かなりカワイイ。
オールドタウンをまわる散歩コースをそれてキャンドルメーカー ロウをに入る。
キャンドルメーカーというので蝋燭屋があるのかと思ったが、代わりにすごく怪しい占い屋が1軒あった。(申し訳ないが、私から見るととっても怪しかった)
そのまま進むと再びグラスマーケットに来たので、坂を上がってボビー像まで戻る。
オールドタウンを周る散歩コースは、本来、ボビー像のところでジョージWブリッジ通りを渡り、東に向かうチャンバーズ ストリート(Chambers St.)に向かっている。
この通りは、500mくらいであまり長い通りではなく人通りも少ないが、エジンバラの主要博物館であるロイヤル ミュージアム(Royall Museum)とスコットランド博物館(Museum of Schotland)、エジンバラ大学の一部であるオールドカレッジ(Old College)、また、サウスブリッジ(South Br.)の手前、曲がりくねったガスリー ストリート(Guthrie St.)には、スコット モニュメントのスコット卿の生家跡がある。
サウスブリッジを渡って、病院通りと言う名のインファーマリー ストリート(Infirmary St.)という小道に入る。
道なりに左へ。
この先に交差するカウゲート通り(Cawgate)は、”かつてエジンバラでもっとも栄えた通りであった”とガイドにあったので、穴場なお店とか今でもあるのかなぁっと思って期待をしつつ、疲労が足に来ていたものの行ってみることにした。
ところが!
通りには何もない…
すばらしいオチだよ。
ただただ車が通るばかり。歩く人影は見られない。
ガイドをもう一度読むと、正確には最後まで読むと、”だが、スランプに陥ってから、19世紀後期まで、劣悪なスラム街であった”
・・・・・・・
頭の中の小さな粋な店が並ぶ映像がフェードアウトしていった。
急に疲れが出て、今日はこれまでとブリーチーズを携え宿に帰る。
注;カウゲート(The Cowgate):現在はスラムという感じではありません。
ただ、人通りはないしお店はありません。特に見所という感じではないです。
カウゲート沿いには、かつて、エジンバラでもっとも優美で最先端のコンサートホールだったという、セント セシリアズ ホール(St Cecilia’s Hall)があったそうです。現在は初期キーボード楽器のラッセルコレクション(Russell Collection)になっているとのこと。
また、ここ数年は、この通りに面白い建築物が増えているそうです。